2012年7月11日水曜日

津久井城跡市民遺跡調査団活動第2回


本日は津久井城跡市民遺跡調査団の活動日でした。
前回お話したようにこの活動は相模原市教育委員会、相模原市立博物館とそして、我々(公財)神奈川県公園協会の連携事業でそれぞれの団体に所属しているボランティアさん達と一緒に調査を行うものです。
調査にあたっては今回や前回のような講義や研修、そして発掘調査から調査成果の展示まで様々な活動を1年に渡って行います。

第2回目となる今回は「城館出土の陶磁器とかわらけ」ということで私がお話させてもらいました。
城館跡から出土するものはもちろん器の類だけでなく、そのほかにも鉄製品や武器の類などなど様々なものが発見されます。
特に戦国時代の陶磁器とかわらけなどの器の類のものは大きく中国など海を超えて渡ってくる貿貿易陶磁器もの、愛知県の瀬戸・美濃や常滑などの国産のもの、そして地元や近隣で作った在地のものに大きく3つに分けることができます。

これまでの発掘調査で津久井城では青磁や白磁、染付などの貿易陶磁、瀬戸・美濃で作られた天目茶碗や擂鉢、常滑産の甕などに加え、在地のかわらけ、そして本城である小田原城からとされる京風かわらけなどが出土しています。

今回のお話ではそのあたりのどんな器があるのかということに加え、場所毎に異なる出土遺物の様相ということで、他の城館で出土しているものと津久井城で出ているもの違いやまとまって調査されている福井県の一乗谷の発掘調査事例を参考にしました。

例えば、津久井城では現在私がいるパークセンターや城主内藤氏が住んでいたとされる「御屋敷跡」曲輪や今後調査する予定の森のステージ付近など普段生活する場所である根小屋と戦時に立て篭もる山頂部の山城部分とどんなふうに様子が違うのか。
今後調査をしていく上でどういうことを考えながら進めていくとより面白くなるのかなどをお話しました。

まだまだ調査は始まったばかり!
合わせて勉強すること盛り沢山です!!

次回は建物跡についての講習です。
これは前回の発掘調査で柱穴が確認されました。
それを受けて、戦国時代にどんな建物跡があったのか。発掘調査ではどのように発見されるものなのかなどを学ぶ予定です。


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